- 2008/11/20 FUNKIST
- 2008/11/20 益戸育江(高樹沙耶)
- 2008/11/20 てんつくマン
- 2008/10/09 田中 優
- 2008/09/25 きくち ゆみ
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ホームページで紹介している内容はDVD付録<ECO BOOK>のダイジェストです。本編小冊子にはそれぞれの方のより詳しいお話や写真、その他、北沢洋子さん、藤田志穂さん、滝沢本春さん、マエキタミヤコさん、デヴィッド・クラスさんからのメッセージが入っています。
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知ってしまったら目を伏せられなくなる
染谷西郷(Vocal): もともと関心はあったのですが、具体的に行動し始めたのはてんつくマンの影響なんです。この夏も小豆島で行われた合宿に参加させてもらって、そこで自分たちにもできそうな環境保護活動のアイディアを考えたりしました。無理しないで楽しく自分らしくできるエコを考えるのって面白いですよね。それまではエコって窮屈で苦しくて、修行僧みたいに我慢を強いられることだと思ってたんですが、いろんな環境問題のイベントに出させていただいているうちに、無理しないで自分のできることから始めれば、自然にエコ的な生活に向かっていくんじゃないかなって思い始めました。例えば冷蔵庫を買い替えるときに省エネ冷蔵庫を選ぶだけでもいいんですよね。 FUNKISTはインド、マカオ、中国、ベトナムなどでもライブをしているんですが、そのライブを通して音楽が言葉や国境だけじゃないいろんなものを超えていくのを実感しています。特に南アフリカはアパルトヘイト(人種隔離政策)の歴史が長くて、違う人種は仲良くできないと思われていたんですが、たった30分のライブで、会場にいるみんなが肩を組んで笑ってるんです。それを目の前で見てしまったので、「何で今まで長い間争ってたんだろう、30分のライブで仲良くなれるのに。」って思うんですよね。音楽には人を繋げる力があると思うので、世界中でそういうライブをやりたいんです。
最初は友達とバンドをやっているのが楽しかっただけだったんですけど、色んな国に行って現実を見ていくうちに、伝えたい想いというのが生まれてきました。ただ、それは世界平和を歌うなんて大げさなものじゃなくて、自分たち自身のこと、たとえば僕が南アフリカのことを歌うのはそこが僕の故郷で、そこにいる人たちは僕の友達だから、僕自身が大切にしたい想いを歌っているだけなんです。だからFUNKISTの歌を聴いた時、身近なところで共感してくれてもいいし、もっと広く世界のことに関心を持ってくれても嬉しいんです。
写真/(左):デビュー・シングル「my girl」¥1,260(税込)/ポニーキャニオン (右):セカンド・シングル「BORDER」(2008.12.3.発売)¥1,260(税込)/ポニーキャニオン
FUNKISTオフィシャルサイト: http://funkist.info/
FUNKIST
2001年に結成。ボーカル、ギター、ベース、ドラム、パーカッション、フルートからなる7人組。日本を中心に南アフリカ、アジアを含む年間100本を超えるライブで世界中を所狭しと駆け回っているライブバンド。ボーカル染谷の故郷でもある南アフリカ仕込みのビートフルな音楽に染み入るリリック&メロディーが混ざり合いジャンルの壁を超えたFUNKISTスタイルを生み出した。日常の些細な物語から世界中の様々な問題までを等身大の自分達で叫び続けるその暖かな音楽は「笑顔あり」「涙あり」聴く人の心をつかんで離さない。そんな彼らのリアルライブは人と人を繋げ、老若男女問わない、あらゆる国境も超えることのできる程の熱い想い、地球規模の大切なメッセージを伝えてきた。2007年07月にポニーキャニオンよりメジャーデビュー。さらなる活躍が期待される注目度NO.1のバンド。

「生まれてきたことは喜びなんだ」
私は自然の摂理、宇宙のリズムというのをとても信頼しているの。自然のバランス感覚、そして自然の再生力ってものすごいと思う。私の自宅は山を切り開いたところに作ったのだけれど、いつでも手入れをしていないとあっという間に草は生えてくるし木も育ってしまう。機械でどうにか自然を押さえ込んでいるって感じかな。とにかく人間の力はとうてい自然には及ばないの。
生まれてきたことは喜びなんだということに気がついて、ということ。そもそも命って男女が交わって歓喜の状態で授かったものでしょう?(笑)だから命そのものは一生喜びだと思うの。マイ箸をもったりエコ袋を持つのもいいけれど、意識を変えることの方が何をしたらいいんだろうと思うよりも大事なことなんじゃないかしら。生きていることをもっともっとありがたいと思ってほしいな。
たとえば「ICE」のような女性だけの世界になるとは現実的には思えない。自然界にはバランスがあって、どちらか一方に極端に走ることはないと思っているから。ただ私たちはこれまでに人間が体験したことのない領域に確実に踏み込んでいて、その世界では感性がとても重要で、あまりにもエゴの強い男性的なものは淘汰されて、女性性を持ったものだけが神様のふるいにかけられて生き残るんじゃないか。時代はそういう女神的なものを必要としている気がする。地球自体が『母なる大地』だものね。そういう意味では女性だけになってしまった「ICE」の世界と共通点があるのかもしれないわね。
写真/生き方の価値観そのものを変えてしまったアボリジニとの出会い
高樹沙耶 Umoja-lani (ウモジャ ラニ)http://www.umoja-lani.jp/
益戸育江(高樹沙耶)
本名、益戸育江。1963年静岡県浜松町に生まれ。趣味、特技は写真と料理。1983年ヘラルド映画『沙耶のいる透視図』で主演デビュー。その後多数、映画、テレビ、舞台で活躍。趣味のカメラでは写真展を開いたり、写真集の出版。2001年ハワイに移住しフリーダイビングの世界に魅せられていく。2007年千葉県南房総市に居を構え、自然エネルギーを活かしたエコロジカルな生活を開始。2008年9月26日より本名の益戸育江に戻り、自然のすばらしさを伝える芸術活動を開始。

「とりあえず2歩進んでみよう」
てんつくマンさんはそのユニークな名前の中に『天国は死んでから行くものではなくて、今、自分のいるこの場所に作るもの』という想いを込め、様々な活動に取り組んでいる。今特に力を入れている4つの活動は、まずカンボジアでの海外支援、次に中国での植林。それから小豆島での村作り。そして最後に映画作り。
彼は語る、「これはノミの例なんですけど、箱の中にノミを入れてふたを開けるとノミは全部飛び出てしまいますよね。でも箱にふたをした状態でしばらく置いておくとノミはふたにぶつからない高さまでしか飛ばなくなってしまって、ふたを開けても飛び出さなくなる。今はまさにそんな状態なんじゃないかな。でも新しいノミを入れるとそのノミはポーンと飛び出ていくんです。そして周りノミたちもそれに倣って飛び出ていくようになる。僕はその飛び出るきっかけをたくさん作りたいんですね」
「もし何かできることを見つけたらとりあえず2歩進んでみよう、1歩だけだとまだ片足は昔につながったままだから、両足を踏み出そうってみんなに言うんです。ひとりが100歩進むのはしんどいけれど、100人が2歩ずつ進めば絶対に変わる。今、地球は危機的状態で、科学者たちはここ10年のうちに何かしないともう間に合わないと言っているけれど、僕は『まだ10年ある』って思うんです。だからあきらめないでこの10年で何ができるかを考えて、一人一人ができることをし始めたらあっという間に世界は変わっていくと信じています」
写真/30秒で世界を変えちゃう新聞(豪快な号外)2007年6月22日発行
『てんつく』107+1〜天国はつくるもの〜 http://www.tentsuku.com/
てんつくマン
本名のりやすひろみつ。1968年2月2日、兵庫生まれ、滋賀県育ち。吉本興業で山崎邦正とコンビを組みお笑い芸人として活動するが、映画製作という夢を見つけ映画の世界へ。映画の制作費を集めるために、路上に座り「インスピレーションで言葉を書く」というパフォーマンスが路上詩人と呼ばれ大ブレーク。2002年名前を"てんつくマン"に改名。7年間追いかけた映画製作という夢を叶え、現在、小豆島を拠点にした村つくりプロジェクトや、海外支援、植林活動を楽しむ、NGO「MAKE THE HEAVEN」代表。

『<ICE>って何を表現してるのかな…』そう問いかけてみよう!
微力な私たちに変えられるか?
世界の滅亡をテーマにしたアニメは珍しくない。しかし滅亡のプロセスに納得できるものは少ない。この<ICE>は、そのリアリティーに違いがある。その設定が西暦2100年だったら「そんなことがあるかもな」ですむかもしれない。しかし1986年と2012年という設定は、ほんの少し前とほんの少し先の話だ。若いアイダヒトミが事故に遭った1986年5月は、チェルノブイリ原発事故の放射能が日本に届いたときだ。遺伝子操作作物の自然界への流出を、英語ではコンタミネーション、つまり「汚染」と言う。核実験の影響では南太平洋の魚たちが有毒化し、安心して食べられない遺伝子操作食品の汚染は国境すら越えて広がっている。内分泌ホルモンかく乱物質、つまり「環境ホルモン」汚染ではオスがメス化し、メスばかりになってしまった生物種もある。<ICE>のメタファーは現実世界にあまりにも近似だ。
しかし、それがわかったとしても社会は変えられない。無力感に苛まれるほど惰性のついた社会は変わらない。一人で異を唱えてもつらいし、結局は長いものに巻かれるしかない。しかしどんなことでも最初の一人が始めたものだ。一人の変わり者が唱え続けることで、社会は変化を続けてきたのだ。今の常識だって最初は一人の変わり者の主張だった。私たちは無力ではなく、微力なだけなのだ。その微力を集めよう。<ICE>の結末を知りながら、そこに向かおうとする者は多くはないはずだ。結集しなくたっていい、敵対しなくたっていい。ここはというときだけ、そっと意志を表明するだけで。運動は長続きしなければならない。そして楽しくなければ長続きしないのだから、楽しみながら続けていこう。
『<ICE>って何を表現してるのかな…』そう問いかけてみよう。社会は理屈で動かない。人々の想いが共鳴し、大きく振動したときに、社会は動き始めるのだ。
写真:第2回全国バンクフォーラムにてパネルディスカッション。
田中優のブログhttp://tanakayu.blogspot.com/
田中 優
1957年生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。現在、「未来バンク事業組合」理事長、「日本国際ボランティアセンター」「足温ネット」理事、「apbank」監事、「中間法人 天然住宅」副代表を務める。また、立教大学大学院、和光大学大学院、大東文化大学の非常勤講師。著書(共著)に『環境破壊のメカニズム』『日本の電気料はなぜ高い』『どうして郵貯がいけないの』(以上北斗出版)『非戦』(幻冬舎)『ECO・エコ省エネゲーム』『戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方』『戦争をしなくてすむ世界をつくる30の法則』『世界から貧しさをなくす30の法則』『おカネで世界を変える30の法則』(以上合同出版)ほか多数がある。

「自分の命をとことん大切にしよう!」
「ゆみさんがいまみんなに伝えたいと思うことはなんでしょうか?」
「自分の命をとことんもっと大事にしよう」ということですね。自分の命を大事にすることは、空気、水、大地(たべもの)を大事にすることと同じなんです。だって私たちのからだはそれらでできているんですから。実はその三つを一番汚しているのが戦争なんですね。戦争には環境基準がないので汚し放題、壊し放題、命ももちろん奪うし。だから環境=命を守るためには戦争をなくすことがどうしても必要なんです。あと命を大切に考えていると何を優先すればいいのかということが自然にわかってきます。からだや環境に悪いものは使わない、口にしない、そうやってひとつひとつ選んでいくことが自分の命と地球環境とを大事にすることになっていくんですね。
「ICE」の中で、現代に生きるヒトミが未来を垣間見たときに、「私たちの生活がこんな未来を作っているとは思っていなかった」というようなことを言いますよね。実際一人ひとりに悪意がなくても、利潤が優先する社会では命や環境がどうしても二の次になっていきます。命を削り、環境を壊して今得ているものが、実は未来にとって負の遺産になっていくのだということに気づかないと「ICE」の世界が現実になってしまいます。
人間のすばらしいところは「気づけばいつでも変われる」ということだと思うんです。私自身も20代と今では、まるで別人。どんな人も気づけば変わることができるから、そのきっかけをたくさん作りたい。そして、自分が望む世界を、日々の暮らしの中で当たり前に実践していきたいです。私の生き方が、若い人たちに勇気や希望を与えられるような存在になりたいですね。
写真:反戦キャンペーンでの集会風景。反戦メッセージをアメリカ国内で新聞広告にし、NYタイムズ紙などで訴えた。
きくちゆみのブログとポッドキャストhttp://kikuchiyumi.blogspot.com/
きくち ゆみ
東京・下町生まれのちゃきちゃきの江戸っ子。マスコミ、金融界を経て、1990年から環境問題の解決をライフワークに。911事件をきっかけにグローバルピースキャンペーンを立ち上げ、米紙への全面広告やハリウッドへのビルボードを実現。ヒット作は『戦争中毒』。911事件の真相を追及した『911ボーイングを捜せ』『911の嘘をくずせ』、米国の外交政策の本質を描いた『テロリストは誰?』の日本語版を制作し、配給中。